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新生児の黄疸(おうだん)とは?原因・症状の見分け方・治療法を解説

文:おはママ編集部
新生児の黄疸(おうだん)とは?原因・症状の見分け方・治療法を解説

「赤ちゃんの肌が黄色い気がする」「退院してから白目が黄みがかっている」——こんなふうに気になり始めて、初めての育児で不安を感じているママも多いのではないでしょうか。

新生児の黄疸(おうだん)は、生後まもない赤ちゃんの大多数に起こる生理的な変化です。多くの場合は自然に回復しますが、一部では医療的なケアが必要になることもあります。「どんな状態が普通で、どんなサインで受診すればいい?」という疑問に、おはママ編集部がわかりやすくお答えします。

心配なサインや症状について不安を感じたときは、かかりつけの小児科や産院にご相談ください。この記事は一般的な情報の提供を目的としており、診断や治療の代わりになるものではありません。

新生児黄疸とは?なぜ起こるの?

新生児黄疸とは、生後まもない赤ちゃんの皮膚や白目が黄色くなる状態です。原因は血液中の「ビリルビン」という色素が増えることにあります。

赤ちゃんはお腹の中にいるとき、「胎児型ヘモグロビン」という酸素運搬に特化した赤血球を大量に持っています。生まれると肺で呼吸できるようになるため、この赤血球は急速に分解され始めます。そのときに生じる黄色い色素がビリルビンです。

新生児の肝臓はまだ未熟で、増えたビリルビンを十分に処理しきれません。その結果、血液中にビリルビンがたまり、皮膚や粘膜が黄色く見えるようになります。

生後2〜3日目に現れ始め、生後3〜5日目にピークを迎え、生後1〜2週間で自然に薄れていくのが一般的な経過です。新生児の約60〜80%に見られ、特に早産児や母乳育児の赤ちゃんで起こりやすいとされています。

出典: 新生児黄疸 - 23. 小児の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版

生理的黄疸と病的黄疸の違い

黄疸には大きく「生理的黄疸」と「病的黄疸」の2種類があります。ほとんどの場合は問題のない生理的黄疸ですが、背景に病気が隠れている場合もあります。

生理的黄疸(ほとんどの赤ちゃんに起こる)

項目詳細
現れる時期生後2〜3日目
ピーク生後3〜5日目
消える目安生後1〜2週間(母乳育児では3〜4週間ほど続くことも)
主な原因赤血球の分解・新生児の肝臓の未熟さ
治療多くの場合は経過観察のみ(ビリルビン値が高い場合は光線療法)

早産児(週数が早く生まれた赤ちゃん)は肝臓の発達がさらに未熟なため、黄疸が重くなりやすく、より慎重な管理が必要です。NICU(新生児集中治療室)での管理が行われるケースもあります。

病的黄疸(医師への相談が必要)

以下のような特徴がある場合は「病的黄疸」の可能性があります。

  • 生後24時間以内に黄疸が出た(早発黄疸)
  • ABO式・Rh式の血液型不適合による溶血性黄疸
  • G6PD欠乏症などの遺伝性疾患
  • 感染症(敗血症・尿路感染など)
  • 胆道閉鎖症などの代謝・形態的な異常

「生後すぐから肌が黄色い」「黄疸が2週間以上続く」「便の色が白っぽいクリーム色や灰白色をしている」といった場合は、早めに産院・小児科にご相談ください。

症状のチェック方法|自宅でできる黄色みの確認

黄疸の程度は、皮膚の黄色みがどこまで広がっているかで大まかに確認できます(クラーマー法と呼ばれる視診の方法)。

黄色みは顔から始まり、胸・体幹→腹部→手足の先へと順に広がっていきます。手足の先まで黄色くなっている場合は、ビリルビン値が高い状態になっている可能性があります。

自宅での確認ポイント

  • 場所: 自然光の当たる明るい窓際(蛍光灯の下では黄色みがわかりにくい)
  • 確認箇所: 白目・額・胸・お腹・手のひら・足の裏
  • 確認方法: 指で皮膚を1〜2秒軽く押して離したとき、その部分が黄色く見えるかどうか

ただし、自宅での目視確認はあくまで目安です。「黄色が強くなった」「広がってきた気がする」と感じたら、ためらわず医療機関にご連絡ください。

心配なサイン|これが出たらすぐ受診を

次のような症状が見られる場合は、早急にかかりつけの小児科または産院に連絡してください。

  • 黄色みが顔だけでなく、手足の先まで急速に広がった
  • 赤ちゃんがひどく眠がって、授乳のために起こしても目が開かない・反応が乏しい
  • 授乳を嫌がる・うまく飲めない・哺乳量が極端に少ない
  • 甲高く「キーキー」「ピーピー」という泣き声がする
  • 体が後ろへ反り返るような姿勢をとる
  • 生後3週間以上、黄疸が続いている
  • 便の色が白っぽい、またはクリーム色・灰白色

これらは、ビリルビンが脳に影響を与え始めているサインである可能性があります。自己判断せず、必ず医師に診てもらってください。

治療法|光線療法(フォトセラピー)とは

ビリルビン値が一定以上に上昇したと医師が判断した場合、「光線療法(光療法・フォトセラピー)」という治療を行います。

光線療法は特殊な青白い光を赤ちゃんの肌に当て、ビリルビンを水溶性の形に変えて尿や便として排出しやすくする治療法です。光を当てるだけなので痛みはありません。

光線療法の流れ

  1. アイマスクで目を保護する
  2. 肌に光が当たる面積を広くするため、衣服を少なく(またはオムツのみ)する
  3. 保育器や専用のライトの下に寝かせる
  4. 定期的に体の向きを変えながら、通常2〜3日間続ける
  5. 血液や経皮でビリルビン値を確認しながら治療終了を判断する

光線療法中も、医師の判断に従いながら授乳を続けられることが多いです。退院後に自宅で行う「毛布型の光線療法機器」を使う場合もあります(病院の指示に従ってください)。

ビリルビン値が非常に高い場合には「交換輸血」という処置が行われることもありますが、これは特殊なケースに限られます。

出典: 日本小児科学会 | 早産児ビリルビン脳症(核黄疸)診療の手引き(2020年2月)

核黄疸(ビリルビン脳症)とは?

核黄疸(かくおうだん)とは、ビリルビン値が非常に高くなり、脳にビリルビンが沈着して神経障害をきたす重篤な状態です。難聴・脳性麻痺などの後遺症が残ることがあります。

ただし、適切なタイミングで黄疸の管理・治療が行われていれば、通常の生理的黄疸が核黄疸に至ることはほとんどありません。日本の産院や小児科では、経皮ビリルビン計を使った定期的な観察が行われており、重症化を防ぐための体制が整っています。

退院後も「なんとなく様子がおかしい」「黄色が強くなってきた」と感じたら、ためらわず産院や小児科に連絡することが何よりも大切です。

母乳育児と黄疸の関係

母乳を飲んでいる赤ちゃんは、黄疸が少し長引きやすい傾向があります。大きく2つのパターンがあります。

哺乳不足性黄疸(生後早期に多い)

母乳の分泌が軌道に乗るまでの生後1週間前後に、水分やカロリーが不足することでビリルビンの排出が遅れる黄疸です。授乳回数を増やす(1日8〜12回以上が目安)、体重増加を確認する、必要に応じてミルクを補足するなどで改善することが多いです。

授乳量に不安を感じているママは、助産師や小児科医に相談してみてください。

母乳性黄疸(生後2〜3週間以降に多い)

母乳中に含まれる成分がビリルビンの分解を緩やかにすることで、黄疸が3〜4週間ほど続くことがあります。赤ちゃんが元気で体重も順調に増えており、ビリルビン値が医師の判断で問題ないとされた場合は、多くの場合、心配がありません。

母乳をやめる必要があるかどうかは、担当医の指示に必ず従ってください。「母乳が続けられるか不安」という場合も、一人で悩まず医師や助産師に相談してみましょう。

退院後のケアと注意点

産院での滞在期間(一般的には分娩後4〜5日)中は、スタッフが黄疸を継続的にチェックします。しかし退院後の赤ちゃんは、引き続き家庭での観察が大切です。

退院後にやっておきたいこと

  • 1〜2日以内に産院または小児科の外来を受診する(退院時に指示がある場合は必ず従う)
  • 1日に白目・顔・体の色を一度は確認する習慣をつける
  • 授乳回数・おしっこ・うんちの量を記録しておくと相談時に役立つ
  • 体重減少が大きい(生まれたときより10%以上の減少)場合は早めに相談する

赤ちゃんの様子で「いつもと違う」と感じたときは、ためらわずに医師に相談してください。

まとめ

  • 新生児黄疸は生後2〜3日目に現れ、1〜2週間で自然に消えることがほとんど
  • 原因は赤血球の分解と新生児の肝臓の未熟さによるビリルビンの増加
  • 生後24時間以内の黄疸・手足の先まで広がる強い黄色み・活気の低下・甲高い泣き声は要注意サイン
  • 治療は光線療法(フォトセラピー)が基本で、痛みはなく数日で改善することが多い
  • 母乳育児の場合は黄疸が長引くことがあるが、多くは経過観察で問題ない
  • 心配なサインがあれば迷わず産院・小児科に相談を。早めの受診が大切

よくある質問

Q. 新生児黄疸はいつから始まり、いつ頃治る?
A. 生理的黄疸は生後2〜3日目に現れ、生後3〜5日目にピークを迎え、生後1〜2週間で自然に消えることが多いです。早産児や母乳育児の赤ちゃんは少し長く続く場合があります。生後24時間以内に黄疸が出た場合や、2週間以上続く場合は早めに医師にご相談ください。
Q. 黄疸が出ていても母乳を続けていい?
A. 多くの場合は母乳育児を続けられます。ただし「哺乳不足性黄疸」といって、母乳の出が少なく水分・カロリーが足りないことで黄疸が悪化するケースもあります。授乳回数や体重増加を確認しながら、不安なときは医師や助産師にご相談ください。母乳をやめる必要があるかどうかも、担当医の指示に従ってください。
Q. 光線療法(光療法)とはどんな治療?赤ちゃんに痛みはある?
A. 光線療法は特殊な青白い光を赤ちゃんの肌に当て、ビリルビンを水溶性に変えて体外に排出しやすくする治療法です。光を当てるだけなので痛みはありません。アイマスクで目を保護し、肌に光が当たりやすいよう少ない衣服(またはオムツのみ)で数日間行います。
Q. 退院後に自宅で黄疸が悪化していないかチェックするには?
A. 自然光が当たる明るい場所で、赤ちゃんの白目・顔・胸・お腹・手のひら・足の裏を確認しましょう。指で皮膚を軽く押して離したとき、その部分が黄色く見えるほど値が高い可能性があります。黄色みが強くなる・赤ちゃんがひどく眠がる・授乳を嫌がるなどの変化があれば、すぐに産院や小児科に連絡してください。
Q. 核黄疸(ビリルビン脳症)とはどういう状態?
A. 核黄疸とはビリルビン値が非常に高くなり、脳にビリルビンが沈着して神経障害をきたす重篤な状態です。適切なタイミングで黄疸管理・治療が行われていれば、通常の生理的黄疸が核黄疸に至ることはほとんどありません。心配なサインが見られたら早めに医師にご相談ください。
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