子どもの水ぼうそう(水痘)|症状・うつる期間・登園の目安・予防接種を徹底解説
「子どもの体に水ぶくれのような発疹が…これって水ぼうそう?」と不安になったことはありませんか?水ぼうそう(水痘)は子どもに多い感染症のひとつで、保育園や幼稚園でひとりかかると一気に広がることもある病気です。
初めてわが子が水ぼうそうにかかったとき、いつ病院に行けばいいのか、どのくらい休ませれば良いのか、判断に迷うママも多いはず。この記事では、水ぼうそうの症状や感染経路から、自宅でのかゆみ対策、登園・登校の再開基準、さらに予防接種の情報まで、必要な情報をまとめてお伝えします。
水ぼうそう(水痘)とはどんな病気?
水ぼうそうは、水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster Virus) に感染することで発症する病気です。日本では春から初夏にかけて流行しやすく、9歳以下の子どもに多い傾向があります。
感染力が非常に強く、未感染・未接種の場合は家庭内でもうつりやすいのが特徴です。かつては「一生に一度かかれば免疫がつく」とも言われていましたが、体内に潜伏したウイルスが大人になってから帯状疱疹として再活性化することもあります。
子どもの頃に予防接種を受けておくことは、発症予防だけでなく将来の帯状疱疹リスクを下げる観点からも重要とされています。
出典: 厚生労働省 | 水痘
水ぼうそうの症状と経過
発疹が出始めてから約1週間かけて症状が変化していきます。
発症の流れ
| 時期 | 主な症状 |
|---|---|
| 発症初期(1〜2日目) | 微熱、倦怠感、食欲低下 |
| 発疹期(3〜5日目) | 赤い斑点 → 水ぶくれ(水疱)→ 膿疱へと変化。顔・頭・体幹から全身に広がる |
| 回復期(6〜7日目以降) | 水ぶくれがかさぶたになり乾燥し始める |
発疹の特徴
水ぼうそう特有の発疹には、以下の特徴があります。
- 赤い斑点・水ぶくれ・かさぶたが体中に同時に混在する
- 強いかゆみを伴う
- 発疹は顔・頭皮・体幹から始まり、腕や足にも広がる
- 口の中や陰部など粘膜部分にも出ることがある
一般的に健康な子どもであれば自然に回復しますが、高熱が続く・発疹が急に悪化するなど気になる症状がある場合は、必ず小児科・かかりつけ医に相談してください。
感染経路とうつる期間
水ぼうそうは感染力が非常に強く、発疹が出る前から感染する可能性があります。
感染経路
水ぼうそうは以下の3つの経路で感染します。
- 飛沫感染: 感染者のせきやくしゃみで広がる
- 空気感染(飛沫核感染): ウイルスが空気中を漂い、離れた場所でも感染が成立する
- 接触感染: 水ぶくれや膿疱の内容物に直接触れることで感染する
空気感染するため、同じ部屋にいるだけで感染することもあります。感染力の強さはインフルエンザよりも高いとも言われており、兄弟・姉妹への二次感染にも注意が必要です。
うつる(感染力がある)期間
| タイミング | 感染力 |
|---|---|
| 発疹が出る1〜2日前 | あり(感染力が出始める) |
| 発疹が出ている期間 | 非常に強い |
| すべての発疹がかさぶたになった後 | なし(感染力が消える) |
感染力がある期間中は、保育園・幼稚園・学校への登園・登校を控える必要があります。
受診の目安と治療
発疹が水ぼうそうと疑われる場合は、早めに小児科を受診することをおすすめします。受診の際は、電話で「水ぼうそうの可能性がある」と伝えてから向かうと、院内での感染拡大防止に協力できます。
こんな場合は早めに受診を
- 発熱(38度以上)が続いている
- 発疹が急速に増えている、または悪化している
- 発疹の周囲が赤く腫れている(細菌の二次感染が疑われる)
- ぐったりしている、食事・水分が取れない
- 呼吸が苦しそう、意識がぼんやりしている
- 新生児や免疫機能が低下しているご家族が同居している
治療について
水ぼうそうの治療は、症状を和らげる対症療法が中心です。
- かゆみへの対処: かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服薬や外用薬(塗り薬)が処方されることがあります
- 抗ウイルス薬: 重症化リスクがある場合や免疫機能が低下している場合などに処方されることがあります。効果が出やすいのは発疹出現後24〜48時間以内とされています
- 解熱剤: 発熱がある場合はアセトアミノフェン系の解熱剤が一般的に使われます。アスピリン(アセチルサリチル酸)の使用は避けてください(ライ症候群と呼ばれる重篤な合併症のリスクがあります)
治療法については医師の指示に従い、自己判断で市販薬を使用することは避けましょう。
自宅でのケアとかゆみ対策
自宅での看護でもっとも大切なのは、かゆみで発疹を掻き壊さないようにすることです。掻き壊すと跡(瘢痕)が残ったり、細菌の二次感染を起こしたりすることがあります。
かゆみを和らげるポイント
- 爪を短く切っておく: 特に小さな子どもは無意識に掻いてしまいます。事前に爪を短くしておくだけで掻き壊しの予防になります
- 涼しい環境を保つ: 体が温まるとかゆみが増しやすいため、室温を適切に保ちましょう
- 体を清潔に保つ: 細菌感染予防のため、汗を流す程度のぬるめのシャワーは一般的に可能です。入浴の可否についてはかかりつけ医に確認してください
- 綿素材の衣類を選ぶ: 肌への刺激が少ない綿素材の衣類を着せると、かゆみが和らぐことがあります
- 就寝中の対策: 就寝中に無意識に掻いてしまう場合は、薄手の綿手袋が有効なことがあります
食事と水分補給
- 発熱や不快感で食欲が落ちることがありますが、水分補給はこまめに行いましょう
- 口の中に発疹が出ている場合は、刺激の少ない食べ物や飲み物(プリン、ゼリー、アイスクリーム、麦茶、経口補水液など)を選ぶと食べやすいことがあります
- 食欲がないときも、水分(麦茶、経口補水液)だけは欠かさないようにしてください
食事や水分が数時間以上まったく取れない場合は、医師に相談することをおすすめします。
登園・登校再開の目安
水ぼうそうは「すべての発疹がかさぶたになるまで」が出席停止の法律上の基準です。
法律上の基準(学校保健安全法)
水ぼうそうは第二種感染症に分類されており、出席停止の期間の基準は「すべての発疹がかさぶたになるまで」と定められています(学校保健安全法施行規則)。
| 施設 | 再開の条件 |
|---|---|
| 小学校・中学校・高校等 | 医師による登校許可(治癒証明)が必要なことが多い |
| 保育園・幼稚園・認定こども園 | 施設により「登園届」や「治癒証明書」が必要な場合あり |
発症から完全に回復するまでの期間は個人差がありますが、一般的に発症から1週間前後が目安になることが多いようです。ただし「1週間経ったから大丈夫」ではなく、すべての発疹がかさぶたになったことを確認してから、かかりつけ医の許可を得て登園・登校するようにしてください。
施設ごとに必要な書類が異なることもあるため、お子さんが回復しはじめたら施設に事前に確認しておくとスムーズです。
予防接種(ワクチン)について
水ぼうそうワクチンは、1歳から3歳未満を対象に定期接種(公費=無料)として2回接種することが推奨されています。
定期接種のスケジュール
| 回数 | 接種時期 |
|---|---|
| 1回目 | 生後12〜15か月が標準的(1歳の誕生日以降) |
| 2回目 | 1回目の接種から3か月以上経過後。標準的には6〜12か月後 |
- 対象年齢: 生後12か月から36か月未満(1歳〜3歳未満)
- 費用: 定期接種の対象期間内は公費(無料) で接種可能
2回接種することで、1回だけの接種に比べてより高い予防効果が期待できます。接種後も感染することはありますが、重症化を防ぐ効果があるとされています。
こんな場合はかかりつけ医に相談を
- 3歳を過ぎているが1回も接種していない
- 1回しか接種していない
- 接種歴が不明
3歳以降でも任意接種として受けることはできますが、費用は自己負担になります(金額はかかりつけ医にご確認ください)。
すでに水ぼうそうにかかったことがある場合は、自然免疫ができているため通常は接種不要とされています。気になる場合は医師にご相談ください。
出典: 厚生労働省 | 水痘ワクチン
まとめ
- 水ぼうそうは感染力が非常に強く、発疹が出る1〜2日前から感染する可能性があります。兄弟・家族への二次感染にも注意しましょう
- 発疹は赤い斑点 → 水ぶくれ → かさぶたの順に変化し、強いかゆみを伴います。掻き壊さないことが大切です
- 登園・登校は「すべての発疹がかさぶたになるまで」が基準(学校保健安全法)。施設によっては医師の許可書が必要なこともあります
- 高熱が続く・発疹が悪化するなど気になる場合は早めに小児科を受診してください。受診前に電話で伝えると院内感染を防ぎやすくなります
- 1歳から3歳未満を対象に定期接種(2回・公費) があります。未接種のお子さんはかかりつけ医に相談を
お子さんの水ぼうそうについて不安なことがあれば、必ずかかりつけの小児科や医師にご相談ください。
よくある質問
- Q. 水ぼうそうはいつからうつりますか?
- A. 一般的に、発疹が出る1〜2日前から感染力があるとされています。感染が終わるのはすべての発疹がかさぶたになったときで、それまで周囲の人にうつす可能性があります。
- Q. 水ぼうそうになったら何日で登園・登校できますか?
- A. 学校保健安全法により、「すべての発疹がかさぶたになるまで」が出席停止の基準です。個人差はありますが発症から1週間前後が目安となることが多いです。登園・登校前にはかかりつけ医に確認し、施設によっては登園許可書が必要なこともあります。
- Q. 水ぼうそうの予防接種は何歳から受けられますか?
- A. 定期接種の対象は生後12か月から36か月未満(1歳〜3歳未満)で、2回接種します。定期接種期間中は公費(無料)で受けることができます。接種歴がない場合はかかりつけ医に相談してください。
- Q. 兄弟に水ぼうそうがうつりやすいですか?
- A. 水ぼうそうは感染力が非常に強く、未接種・未感染の家族(特に兄弟姉妹)にもうつりやすいです。感染した子どもは他の家族との接触をできる限り避け、タオルや食器を共用しないようにしましょう。
- Q. 水ぼうそうのかゆみはどう和らげますか?
- A. 爪を短く切る、涼しい環境を保つ、体を清潔に保つといった方法が一般的に有効です。かゆみが強い場合は医師に相談のうえ、塗り薬や内服の抗ヒスタミン薬を使用することもあります。発疹を掻き壊すと跡が残ったり細菌感染を起こすことがあるため注意が必要です。