妊婦加算とは?廃止された経緯と現在の妊婦の医療費をわかりやすく解説
妊娠中に話題となった「妊婦加算」という制度を覚えている方もいるかもしれません。いまはもう存在しない制度ですが、妊婦の医療費を考えるうえで経緯を知っておくと役立ちます。
結論からいうと、妊婦加算は妊婦への丁寧な診療を促すため2018年4月に導入された診療報酬の上乗せでしたが、「妊婦税」と批判され2019年1月に凍結、2020年4月に廃止されました。その後、復活はしていません。 現在は妊婦に限らず医療機関どうしの情報連携を評価する仕組みに置き換わっています。

妊婦加算とは?導入された目的
結論から言うと、妊婦加算は産婦人科以外の医療機関でも妊婦が適切な診療を受けられるようにする目的で、2018年4月に導入された診療報酬の上乗せです。妊婦や胎児への配慮には手間がかかるため、報酬を上乗せして丁寧な診療を促す狙いがありました。

目的とされたのは、胎児に影響のない薬を選ぶこと、妊婦がかかりやすい合併症や診断が難しい病気に注意することなどでした。妊婦への配慮自体は望ましいものでしたが、その分、妊婦の窓口負担が増えることになりました(初診で数百円程度の上乗せ)。
なぜ「妊婦税」と批判されたのか
結論から言うと、2018年秋以降、SNSやニュースで次のような問題点が指摘されました。
- 十分な説明がないまま加算されていた
- コンタクトレンズの処方など、妊娠と関係のない診療でも加算された
- 制度の周知が不足していた
「妊娠を理由に負担が増えるのは少子化対策に逆行する」として、「妊婦税」との批判が高まりました。
凍結から廃止までの経緯

結論から言うと、妊婦加算は批判を受けて次のような経緯をたどり、廃止されました。
- 2018年4月…導入
- 2019年1月…いったん凍結
- 2020年4月…正式に廃止
当初は名称や要件を見直して再開する案もありましたが、最終的に妊婦加算やそれに類する加算は廃止され、復活していません。代わりに、妊婦に限らず、紹介先の医療機関が紹介元へ治療情報を提供した場合などを診療報酬で評価する仕組みが設けられました。
出典: 日本経済新聞 | 妊婦加算は廃止、医療機関の情報共有で報酬上乗せ、ニッセイ基礎研究所 | 妊婦加算は廃止~すべての患者について紹介先からの情報連携を評価
現在の妊婦の医療費は?
結論から言うと、現在は妊婦であることだけを理由にした医療費の上乗せはありません。妊婦加算は廃止されたままです。
ただし、妊娠・出産には別の費用や支援があります。出産費用や妊婦健診の助成、出産育児一時金などは妊娠・出産・育児でもらえるお金の記事で詳しく解説しているので、あわせて確認してみてください。なお、妊娠中の体調や受診に不安があるときは、かかりつけの医師・助産師に相談しましょう。
まとめ
妊婦加算は、丁寧な診療を促す目的で導入されたものの、負担増と周知不足から批判を受けて廃止された制度です。
- 2018年4月導入 → 2019年1月凍結 → 2020年4月廃止
- その後、妊婦加算は復活していない
- 現在は妊婦であることを理由とした上乗せはない
制度の経緯を知っておくと、医療費のニュースを正しく理解する助けになります。
よくある質問
- Q. 妊婦加算とは何ですか?
- A. 産婦人科以外でも妊婦が適切な診療を受けられるよう、妊婦の外来診療に上乗せされた診療報酬(自己負担)です。2018年4月に導入されましたが、患者負担が増えることから批判を受けました。
- Q. 妊婦加算は今もありますか?
- A. ありません。2019年1月に凍結され、2020年4月に廃止されました。その後、妊婦加算やそれに類する加算は復活していません。
- Q. なぜ廃止されたのですか?
- A. コンタクトレンズの処方など妊娠と関係のない診療でも加算され、十分な説明もないまま負担が増えたことから「妊婦税」と批判が高まったためです。周知不足も大きな原因でした。
- Q. 今、妊婦の医療費はどうなっていますか?
- A. 妊婦加算はなくなり、妊婦であることだけを理由とした上乗せはありません。代わりに、妊婦に限らず医療機関どうしが治療情報を共有した場合を診療報酬で評価する仕組みに置き換わっています。